女王はつらいよ

以下、27日付New York Times。

土曜日、世界選手権の女子800m自由形においてケイティ・レデッキーは優勝を果たしたが、彼女はこのタイムよりも早く泳いだことが過去に21回もある。だがスタート台に上がるまでの苦労――頭痛、不整脈、心拍数の上昇、不眠、食欲減退――を考えれば、8分13秒58というタイムは信じられないくらい凄い。
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レースではイタリアのシモーナ・クアダレッラを最終ラップでかわしての勝利であったが、当日は体調が悪く、危険すら考えたほどであった。なぜ彼女が史上最高の自由形選手と評されるかの証明だ。

「メチャメチャスゴイ」
米国のチームメイト、ケイレブ・ドレッセルはレデッキーの泳ぎを、純金製のメダリオンであるかの如く評した。ドレッセルはこの日、50frと100flyに勝った後、400m混合フリーリレーでアンカーを務めて世界新での優勝に貢献した。

「彼女(レデッキー)の頑張りは信じられないよ」
と語るドレッセル自身は7日間で6個の金と1個の銀を稼ぎ、もう1レース残っている。

22歳のレデッキーは5つの金メダルを狙って今大会に臨んだが、ウイルス性の病気にかかってわずか3レースにしか出ていない。最初の400m自由形で主要国際大会では初めて敗北を喫し、1500の決勝は棄権、200は出場しなかった。

病院で検査を受けて丸二日間入院した後、レデッキーは銀メダルとなった800mフリーリレーで最速スプリットをマークしたが、翌日の800予選は2位通過だった。

病状は快方に向かうどころか悪化し、土曜日の朝には吐き気を押さえる薬を処方された。決勝に出られるかどうかは全く分からなかったのだ。彼女は「1分間だけ」棄権を考えたという。

「無理じゃないかなって思う時もありましたが、週の初めに比べればずっとよくなったし、頑張らなくちゃと」
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800の決勝では、400のターンではわずかにリードしていた。だがレデッキー不在の1500を制したクアダレッラが450でトップに立ち、のこり200の時点では1秒近い差がついた。レデッキーは400のレースでは失速して豪州の10代アリアーヌ・ティムスに抜かれたが、今回は崩れなかった。

レデッキーは徐々に追い上げ、最後のターンでスパートをかけてゴールまで泳ぎ切った。最後の50mはレデッキーが29秒19だったのに対しクアダレッラは31秒34で、同種目の4連覇を果たした。

「こういうレースを泳ぎ切って、自分はできると信じて勝てたことは特別です」

2016年の五輪で出した世界記録の8分4秒79には遠く及ばなかったが、2017年ブダペストでの優勝タイムからは1秒も離れていなかった。

「あれは勝つんだという自らの意思です」
米国女子チームのヘッドコーチ、グレッグ・ミーハンが言う。スタンフォードのクラブではレデッキーの指導もしている。

ミーハンは目を涙で潤ませながら言った。
「私が見た中で、君の最高のレースだったよと伝えました」

レデッキーは大学2年までをスタンフォードで泳ぎ、昨年プロに転向した。NCAAの大会が練習サイクルから無くなり、彼女は休みが取れない状態に陥っていた。しっかりと休んで状態をピークに持っていたならば、どれぐらいのタイムが出るかと自身も楽しみにしていた。だが来年の東京五輪へ向かう旅路のチェックポイントにおいて確認できたのは、病み上がりの時のド根性はあるということのようだ。

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