インチキ野郎はいらない2

FINAは孫陽の問題を深刻にとらえていなかったが、事の次第が明らかになって、行動を起こすべきだと考えた。その行動の中には、この件をFINAのドーピング委員会に諮ったことも含まれており、FINAが孫陽の主張を聞き入れた理由を示したことも含まれる。

Swimming World 誌は、ドーピング委員会の報告書をすべて読んだ。以下は59ページに及ぶ報告書から、カギとなる部分を抜粋したものである。

論争の主である27歳の孫陽は、中国男子初の競泳五輪金メダリストであり、3つの自由形種目で優勝を果たしている(200が2016年、400と1500が2012年)。孫陽は昨年9月4日の夜10時から11時、選手用の住宅において、FINAが契約する独立機関であるIDTM(International Doping Tests and Management)の検査員を受け入れることに同意していた。競技力向上薬物の検査を目的に、尿と血液のサンプルを採取するためである。

サンデー・タイムズが報じたように、孫陽と検査員の間では、これに先だって意見の食い違いがあった。しかし委員会は、今回の問題にはそのことは影響を及ぼしていないと結論付け、言い争いもなかったと述べている。

FINA側の証言

●IDTMで働く女性のDoping Controll Officer(DCO)――関係者間の合意によって名前は非公表――と、彼女のアシスタントとして男性のDoping Controll Assistant(DCA)――尿担当が一人と血液担当が一人――、そして看護師一人が約束の時間に来た。

●孫陽は家族数人とともに、約束の時間が過ぎる直前に車で到着した。


●孫陽は尿担当のアシスタントに対し、この検査を実施する権限はない、検査所から出て行けと主張した。

●「当該選手が主任検査員の身分証を写真に撮り、その写真を他の人物に送った。当該選手の母親は主任検査員を恫喝し、警察に連絡してアシスタントに検査の権限があるかを決めてもらうと脅した。選手の言い分が通り、アシスタントは検査の場から除外された」

●孫陽は11:35に血液サンプルを提出することに同意したが、再び尿サンプルの提供を拒否した。そして母親がオブザーバーとして立ち会うことも拒んだ。「これは主任検査員の申し出であり、尿サンプルはアシスタントの監視下で採取されるべきものであるからだったが、これも拒否された」。


●孫陽は、尿サンプルの採取を介助役なしで行ったことは「検査妨害」に当たる可能性があると警告を受けた。孫陽は、適切なアシスタントがいなかったのだから妨害には当たらないと主張した。

●FINA側の証言によると、孫陽は、検査にはこうした異議申し立てをする条項があることを告げられたという。

●中国のチームドクターBa Zhenは孫陽の個人担当医でもあるが、彼は午前1時にクラブハウスに到着した。

●Ba Zhenが、アシスタントだけでなく主任にも正当な資格がないと主張し、緊張は高まった。さらに同医師は、孫陽のサンプルを持ち帰ることを拒否した。

●「アシスタントは医師と孫陽に対し、サンプルに手を付けず、分析が完全に行える状態で検査所を退出しなければ、反ドーピングのルールに抵触すると警告した」

●「孫陽は、自分は検査に協力しているし、これからもする、適切なアシスタントが到着するまで待つと主張した。主任検査員はこの申し出を受け入れなかった」

●「孫陽の母親が警備員に対し、ハンマーを持ってくるように伝えた」

証言によれば、孫陽とBa(馬)医師はその時「コンテナを壊してしまえば血液サンプルの正当性も無くなる」と提案した。

●報告書には「アシスタントは恐怖に震えていた」とあり、その後にはこうある。

●「主任がPopa氏に電話をかけていた時、ガラスが割れるような音が聞こえた。外に出てクラブハウスに行ってみると、孫陽と警備員がサンプルの入ったコンテナをハンマーでたたき割ったところだった。孫陽は警備員の横にいて、携帯電話でその模様を写真に撮っていた。主任は2つ目のサンプルも破壊しろと言われたが、これを拒否した」

●「血液サンプルが破壊されて分析が不可能になり、主任は紙に手書きで検査報告書を作成しようとした。これを孫陽はひったくって破り捨てた。主任は再び孫陽に、こんなことをしたら規定に違反すると伝えた。

●午前3:15、孫陽の母親は使用未使用にかかわらず、注射針や破り捨てた紙なども全てを集めてクラブハウスを立ち去った。


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