野球場に連れてって

新ヤンキー・スタジアムの感想記です。
以下、4月19日付New York Times。

ファンにとって、旧スタジアムと新スタジアムの違いを要約すれば、それはバーベキュー・コンセッションの"Brother Jimmy's"に行けるかどうかだろう。メイン・フードコートのはずれにある。フライドピクルス(ウイキョウやなんかの漬物に衣つけて揚げたモンらしい。知らん)、プルド・ポーク(肩肉なんかを低温でやわらかく焼いたやつらしい。知らん)、マック、チーズなどがいただける。私はブリスケット・サンドウィッチ(牛バラ肉)をいただいた。正直、いやあ美味かった。肉が柔らかくてしっとり、味付けも絶妙(この人はアメリカ人記者なので、よろしく)。値段はいい値段。10ドル。だが、これこそが高級化である。
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あなたがもし私と同じように40年以上もブロンクスの球場に通っているなら、旧ヤンキー・スタジアムはゾッとしないお隣さんになったことがわかるだろう。夜に1人で歩くような場所ではない。目に見えてガタが来ていて、トイレはくさいし、通路はジメジメしていて、全体が薄汚れている。それがファンの精神状態にも影響するようで、彼らは無軌道で、下品で、反社会的で、残忍ですらあった。私は一度、ヤンキー・スタジアムで強盗にあった。セキュリティと球場責任者を呼んだが、彼らはビールをぶちまけたり、審判やビジターの選手に罵詈雑言をあびせる行為を結構だねと言うような人間であった。それまで私は子供をつれてアッパーデッキで観戦するのが習慣だったが、やめてしまった。

金曜日の午後、私ははじめて新ヤンキー・スタジアムを訪れた。地元開幕戦の翌日、クリーブランド戦である。もちろん、建築コストはバカバカしいまでに巨額で、その多くは納税者のよってまかなわれたものであり、そこそこの席に座ろうと思えばチケット代はベラボーに高い。ヤンキースのHPで900ドルのフィールドレベル席を買うか、あるいは右翼はるか彼方のアッパーデッキの席を22ドルで買うか悩んだが、結局、再販センターで3塁ベース真後ろのテラス席をペアで購入した。200ドル。実際に来てみて、単なるスタジアム以上のものを期待したのは私だけではあるまい。贅沢な、そう、宮殿にいるような体験。

実際は、違った。が、新スタジアムは野球の高級版とでも言うべきものを提供してくれる。地下鉄を降り、リバー・アベニューを渡って161番通りの不慣れな側に出ると、きらめくばかりの大建築物が目の前にある。企業の入った高層ビルのようでもあり、このエリアの資産価値を高めそうである。ジェローム・アベニュー側のストリートレベルからは、新球場は金融機関のように見える。

内部は実にゆったりとしていて歩きやすく、探索してまわることも出来る。中堅後方のモニュメント・パークは大混雑で、試合前に大勢が各セクションにつながる回廊に殺到した(案内表示はイマイチだった)。私は壁面の装飾が気に入った。往年のスターたちのバナーや、過去の優勝シーズンの写真が掲げられており、近代的なボールパークの要件とは逆を行くものだった。寿司カウンターの上には、サーマン・マンソン(飛行機事故で亡くなって背番号が永久欠番になった捕手)が若かりし頃のジョージ・スタインブレナーにシャンペンを注いでいる写真である。
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すべての階層を取り巻くコンコースにはすぐにうんざりした。コンセッション(飲食店舗)が並んでいて、その辺のショッピングモールと変わらないからだ。20フィート行くごとに、ヤンキー・ボブルヘッド人形(首が揺れるヤツ)やミラー・ライト(ビール)を買うことが出来る。

「85ドルもするスウェットシャツを売ってるような時代まで生きるとは思わなかったよ」
私は友人のケイトに言った。

「おめでとう」
彼女は私の肩を叩きながら言った。
「やったじゃない」

旧スタジアムでは、通路はスタンドの真下で、暗く、圧迫感があって閉所恐怖症になりそうだった。球場内では客席に座っているしかなかった。だが新球場では、さまよい歩く事が出来る。脚を伸ばしても、フィールドが見える。ファンが使えるスペースが広くなっていて、それは街のアパートと通りのあいだに広がる芝生のようでもある。試合の5回ぐらいだったか、最後尾の席の後ろでビールをすすっていたとき、まったく知らない人と言葉を交わし、ブレット・ガードナーとメルキー・カブレラのどちらを起用すべきかで話がはずんでしまった。

フィールドそのものは素晴らしかった。毎年開幕で最初に見るときはいつもそうなのだが、驚くほど色鮮やかで、芝に模様が刈り込まれ、真っ白なベースが土にはめ込まれている。私はスコアボードと広告に興味があったが、電飾はやはりゴテゴテしてやりすぎだったが、左中間のラインナップ・カードがシンプルで読みやすい活字体であるのは気に入った。そして高架になった4番列車が右翼のむこうを走っていくのも見える。ああタメ息。

全般的に、「ジーターの建てた家」と「ルースの建てた家」の違いは、現実的な夢と現実そのものの違いと言っていい。同モデルのアップグレードであり、すべてが輝いて、少しハイテクで、アパートで言うならフロアは同じだが器具装置一式が上等である。

ジェームズ・ワイゼンボーンはニュージャージー州オールド・タッパン出身で、旧ヤンキー・スタジアムにも何度も来ている。彼は旧スタジアムではダグアウトすぐ後ろの席をよく利用したが、それでも新スタジアムのほうが好きだという。金曜日の試合、ジェームスは私と同じテラスにいた。

「いいねえ、新しくて」
ジェームスは言う。彼は11歳である。親戚一同とやって来ていて、グラブを持ってこなかったことをからかわれていた。ファウルフライがこちらの方向へ飛んでくるたびに、
「ジェームス、捕れ!」という声が飛んだ。

ジェームス一族はふだん開幕戦に来るのだが、今年は手ごろな良い席が手に入らなかったという。金曜日の試合、ジェームスの叔母のリン・デロバーティスが言った。
「貧乏人の開幕戦ね。フィールドレベルに空席がたくさんあったわよ」

私たちのセクションは素晴らしかった。近くの席の仏頂面した老人たちは、ヤンキースのお粗末な守備を嘆いていた。
「あんな肩の弱いデーモンを外野に置きよって!」
5回の攻撃で満塁となり、セクション全体が打者のホルヘ・ポサダの応援を始めた。
「ヒップヒップ、フレー!ヒップヒップ、フレー!」

いたって健全であった!私は理解した。新しい球場が私たちに、古き良き体験を提供してくれるのである。カネさえ出せば。3塁上のきわどいプレーがヤンキース不利の判定になると、ファンはいっせいにブーイングを浴びせた。が、それを呪うものはいなかった。気がつくと、左翼の芝にビール瓶がころがっていた。もしかして、通りの向こう側(旧スタジアム)から投げ込まれたのかもしれない。




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